自動車部品メーカー

2016年の初頭、ある自動車部品メーカーはマテリアルハンドリング事業をサポートするYale® Class 1 リフトトラックを16台所有していました。同社では、565,000平方メートルの施設で3シフトの24時間体制を取り、年間3,000時間以上稼働していました。そのため、トラックを常に使用する必要があり、トラックの電力供給には「急速充電」された鉛蓄電池を使用していました。

鉛蓄電池では充電回数が限られているため、厳しい作業負荷の増加に伴い、トラックの電力供給が課題でした。同社では、シフトを通してオペレーターの休憩時間にオポチュニティ充電や急速充電を使用して、トラックを使用していましたが、残念なことに、鉛蓄電池を目的の充電レベルに維持することができず、生産性が全体的に減少していました。急速充電後、電池容量の40～80%の範囲で使用することが理想的ですが、実際には、25%まで低下していました。休憩時間の10分間で急速充電しても40%までしか充電できず、  最適な性能に必要な充電量に達することはありませんでした。

また、このような充電方法では、電池寿命が短くなるという問題もありました。  これは、10分、または8時間ごとに急速充電やオポチュニティ充電する場合によく見られる現象であり、充電1回を1サイクルとした充電サイクル数には限りがあり、電池の寿命に影響します。この充電方法のため電池の寿命が短くなり、本来よりも短期間で電池を交換していました。  

常に満充電の状態でトラックを使用するために、追加のリフトトラックをレンタルして作業負荷を補っていました。シフト中に追加のトラックを充電したり、充電が必要になるとトラックを交換することで対応できました。しかし、この方法ではオペレーターの生産性を維持することはできますが、コストがかかり、その結果、総運用コストは増加しました。

Yaleディーラーは、リフトトラックのリース期間終了時点で、新しいリースについて協議しました。現場訪問の際、会社側から鉛蓄電池の問題と非効果的な充電方法に関する相談がありました。トラックが常に満充電状態で動作できるようにバッテリー交換ステーションの追加が検討されました。しかし、このソリューションの場合、トラックごとに複数のバッテリーを手作業で備え付けたり、80フィート長の充電ステーション壁の設置やインフラの追加など、会社側にかなりの負担が必要とされました。自動車部品メーカーにとってスペースは最も重要ですが、このソリューションではスペースが制限されるため、より多くの問題がありました。

鉛蓄電池では同社のニーズを満たすことができないという結論に達し、Nuvera製水素燃料電池について協議することになりました。燃料源として水素を使用すれば、3分程度で燃料補給が完了するため、バッテリーの充電問題は解決します。　さらに、複数の充電ステーションの代わりに1台の燃料補給ステーションで対応できるため、生産性を向上し、スペースを節約することができます。 

同社は、水素燃料電池の提案に興味を示したのですが、現場に水素燃料電池発電機を設置し、インフラを再構築するための資本的支出の準備が整っていませんでした。この問題を緩和するために、ディーラーは水素燃料供給ソリューションを提案しました。このソリューションでは、施設内に設置された配管とディスペンサーを接続するだけのシンプルなインフラにトレーラーから水素燃料を供給します。この場合、初期費用がほとんどかからず、新しい水素燃料用トレーラーが現場に提供されます。この水素燃料供給システムは、同社にとって非常に魅力的であり、最終的に、Nuvera製水素燃料電池が採用されました。

 現在、同社全体のフリートは水素燃料電池で動作し、非常に満足されています。オペレーターは、シフトを通して優れた生産性を維持し、燃料補給を3分程度で完了することができます。また、バッテリー充電ステーションの撤去による倉庫の空きスペースを再利用しています。現在、Yale® トラックは100%の充電状態で稼働し、ダウンタイムを最小限に抑えているため、鉛蓄電池を使用していた当時と同数のトラックは必要ありません。フリートの台数は、リフトトラック16台（レンタルトラックを除く）から14台に減少することができました。トラックごとに複数のバッテリーを使用する必要がなくなり、現在の電池使用率は、トラック1台当たり1個です。フリート数とバッテリー数を削減され、高度な燃料電池ソリューションにかかるコストを相殺することができました。   

ディーラーは、同社との強力な関係を維持し、継続して水素燃料電池のニーズをサポートしています。  使用開始から6か月後、同社は鉛蓄電池から水素燃料電池に切り替えたことが正しい決断だと実感し、満足しています。